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2010-10-17 (Sun)

子どもたちは、いま

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著者 : トリイ・ヘイデン 斎藤 学 / 早川書房

ずいぶん昔に一度読んだ本なんだけど、再読。
教育心理学者であり作家でもあるトリイ・へイデンさんの来日講演と、精神科医・斎藤学さんとの対談が収録されている本。

著書ではあまり触れられることのないご自身の生い立ちや、サヴァイヴァー(虐待等、困難な子ども時代を生き延びた人)のための癒しのプロセスについて、いじめ問題の対策案(いじめられる側へのはたらきかけ、いじめる側へのはたらきかけ、傍観者たちについて、教師にできること)等が具体的に語られています。
もともとは理系で、大学で生物学を専攻していたトリイ・へイデンさんが、結局は大学院では特殊教育の分野に進み、選択性無言症の専門家になったきっかけが、興味深いです。人生って、不思議。
彼女のあの驚異的な根気と忍耐力は、釣りやクマの研究等、自然や動物を相手にすることで身につけたものだそう。

「みなさんのなかでお子さんをお持ちの方は、きっと自分の子どもに対して『この子を殺してやりたい』と感じたことがあるかと思います。これは自然なことなんです。わたしもそういうことを感じました」という言葉が、印象的。
すごく正直で、率直な人。
自分の子どもに限らず、誰かを殺してやりたいと感じることって、誰にでもあるよね。私にだってある。
大切なのは、そういう気持ちを抑制することができるかどうかということ。
自分の行動を抑えることができるかどうかということ。。。

“いじめの問題は自己評価の問題につながっている。自分自身を愛せない人は他の人を愛することはできない。健全な強い成人になっていく子どもは、自分の価値を知って、誰かを愛する気持ちを持つようになって、自分自身が生きる価値のある場所を見つけ、この世界に自分がいても構わないんだということ、いる価値があるのだということがわかってこそ、ちゃんとした大人になる土台ができる。いじめは、自分の価値に対する不安の表れであり、自分自身よりも弱い者を標的にしていくという非常に深い問題。だから、どんな子でもみんな自分自身に価値があると必ず思えるようでなければいけない”。
これ、すごく大事なこと。
それだけがいじめ問題の原因の全てってわけではないけれど、いじめっ子も、いじめられっ子も、共通しているのは自己評価の低さ。

トリイ・へイデンさんが子どもたちから学んだ最大のことは、“不完全さの美”だそう。
「不完全さがあるからこそ、我々は美しく、完全に輝くのです。人間の弱さ、人生や生命の脆さが、人と人を結び付けているのですから」って。
本当にその通りだと思う。人は強さではなく、弱さで結び付く。。。

トリイ・へイデンさんの人生哲学の“三つの声”のお話も、好き。
第一の声は、自分のなかから聞こえてくるもの。意識、心、考え、知能で聞くもの。
第二の声は、社会の声。文化の声。慣習。両親や学校で教えられたもの。
第三の声は、直感。やるべき正しいことを自分に伝えてくれるもの。第一の声や第二の声で説明できなくても、とにかくやりなさい、正しいことなんだからというふうに。。。

最終目標に辿り着くことではなく、プロセスを楽しむことが大事!

起きてしまったことは変えられない。それはそのまま受け入れるしかない。
受け入れて、手放して、前進するしかない。
“許す”ではなくて、“手放す”。
そのことに、こだわらなくなること。
起きてしまったことは変えられないけれど、私たちは選択することができる。

私は私の、第三の声を信じる。
私は私の想いを、貫く。
必要なのは辛抱することだけ。我慢強さ。
私はあきらめない。

今、この本を読み返して良かった。
力と勇気をたくさん貰った。
なんとか頑張って、今の状況を通り抜けてみる。
書くこと自体に強い治癒力がある。
私は書き続けよう。
今を生き延びるために。。。


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タグ: トリイ・ヘイデン  斎藤学  対談  児童虐待  いじめ 

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